きらびやかに飾られた山車が紙吹雪舞う街をゆく【尾張横須賀まつり】
イベント情報
【期 間】2017/9/23~2017/9/24
【期待度】
3.5
【場所】愛知県東海市横須賀町内
※写真は東海市観光より転載
毎年9月の第4日曜日とその前日に行われる愛宕神社の例祭が『尾張横須賀まつり』です。
今年は9月23日(土)、24日(日)になりますね。
最大の見どころは祭り囃子が鳴り響く中、紙吹雪が舞う街角で繰り広げられる”どんてん”!
山車を180度転回させることを”どんてん”(または”どんでん”)と言うのですが、『尾張横須賀まつり』ではなんと、180度どころか、2周、3周と回転させてしまうのです。
江戸時代から伝わる絢爛豪華な山車が、男たちの掛け声とともに威勢良く回転する姿を想像しただけでも、祭りの血が騒ぎませんか?
目 次
”どんてん”を見逃すな! 山車の曳行について詳しく見てみましょう
23日の土曜日は試楽(しんがく)といい、本町組・北町組・公通組・大門組4つの町組から、それぞれ山車が曳き出され、おもに各町内を運行します。
本楽(ほんがく)といわれる24日の日曜日は、神社前に並べられた山車が出番組の北町組を先頭に、二番車…本町組、三番車…大門組、四番車…公通組の順に町内を運行します。
どんてんが見られるのは試楽夕刻の同盟書林角、本楽日の愛宕神社前、横須賀町交差点(三菱東京UFJ銀行前)などで、これらを”どんてん場”と呼びます。
神社近くの同盟書林角の”大どんてん”では、山車が何回転もします。この”大どんてん”では、からくり人形の奉納も行われ、『尾張横須賀まつり』一番の見せ場となっています。
また本楽では、提灯を灯し夜の町並みを曳行する宵祭りも行われます。提灯に照らされた山車が回転する華やかな”夜のどんてん”も見ものです。
(宵祭りが行われるのは本楽(24日の日曜日)です。お間違いなく!)
こちらの公式サイトに地図やスケジュールの詳細が載っています。祭りマップはとても見やすいので要チェックです。
こちらも見逃せない、「からくり」について
本楽の朝と、”だいどんてん”でも行われるからくり人形の奉納。山車と同様、からくりにも各祭組ごとの特徴がありますので、ぜひ見比べてみて下さい。
北町組…倒立離れからくり
大唐子(おおからこ)が蓮台(れんだい)を回すと蓮台がせり上がり、蓮台上の小唐子が紅葉の木に移って左手で逆立ちをし、太鼓を叩きます。
本町組…離れ・出現からくり
「司馬温公の甕(かめ)割り」で中国北宋時代の政治家・司馬光(=司馬温公)(1019~1086)の故事を題材にしています。
司馬温公が子供の頃、友達と庭で遊んでいたときに仲間の一人が誤って甕(かめ)に落ちてしまいました。そこで司馬温公は慌てず甕を割って中から仲間を助ける様を、大小2体の唐子人形で演じます。
現在尾張地方に残るからくり人形の題材としては唯一のものです。
大門組…社殿変身からくり
人形が曲に合わせ鈴を振り、扇を開いて舞います。そののち一転して人形が後ろを向くと、背中の部分が社の扉になり、パタパタと斎垣・屋根・階段そして鳥居が現れるまでを一瞬のうちに演じます。
公通組(八公車)…肩上倒立離れからくり
小唐子が大唐子の肩に止まって逆立ちをし、大唐子の持っている太鼓を叩きます。
もともとは山車じゃなかった? 『尾張横須賀まつり』の歴史
今から350年ほど前の寛文6年(1666年)、尾張の二代目藩主・徳川光友はこの地を気に入り、別荘となる「横須賀御殿」を造りました。
信仰心の厚かった光友公は、この地に訪れる度に氏神様である愛宕神社へ参拝され、地元の人達とも気さくに会話を交わされて親睦を図られたと言われています。
住民達はこの地に居られるお殿様の旅情をお慰めしようではないかと、氏神様の例祭に合わせて余興として始めた催事が『尾張横須賀まつり』の起源と言われています。
※尾張横須賀祭り公式サイトより転載
当時は「傘鉾まつり」と言われるもので、住民達が「傘鉾」を手で捧げ持つて町中を練り歩いたり、時にはこの傘鉾を屋台に載せて曳き廻す「まつり」であったようです。
天明3年(1783年)、「横須賀御殿」跡地に「横須賀代宮所」が設けられると、人口が急増して町には商家が建ち並び、港を持った商業地として飛躍的な発展を遂げます。
そこで、名古屋の町で挙行される「山車まつり」の素晴らしさを知っていた住民達は、かつて藩主の別荘となる「横須賀御殿」があったこの地で何とか「山車まつり」ができないものかと思案のあげく、寛政年次後期(1789年頃~ )に「山車」が造られることになったのです。
以降、江戸時代後期から現在に至るまで、勇壮で絢爛豪華な「からくり・山車まつり」が連綿と続いています。
若衆たちが各祭組の名誉と威信をかけて奮闘
愛宕神社の例祭である『尾張横須賀まつり』一番の見せ場。祭り囃子が鳴り響く中、紙吹雪が舞う街角で男たちの掛け声とともに繰り広げられる”大どんてん”。
「滾(たぎ)る男の心意気」を肌で感じてください。